絵金蔵では本日より 、
新企画展示『金蔵と師匠』がはじまりました!
◆会期◆
1月28日(火)~ 4月5日(日)
※会期中、月曜日は休館日(祝日の場合は翌平日)
禅画の画題としてよく登場する『寒山拾得』が描かれた
軸《寒山拾得図(高知市称名寺(しょうみょうじ)蔵)》
を展示しています。
◆『寒山(かんざん)』と『拾得(じっとく)』◆
寒山と拾得の二人は中国・唐代の伝説の詩僧。
二人はともに天台山にある国清寺の
豊干禅師(ぶかんぜんし)の弟子とされる。
寒山は文殊菩薩、拾得は普賢菩薩の化身といわれ
伝説に彩られた奇行が多く伝わっている。
通常、寒山は経巻を開いている様子を
拾得は箒を携える姿で描かれ、
展示している当館収蔵品『寒山拾得(香南市個人蔵)』では
まさしくその姿であらわされています。
称名寺に伝わる軸《寒山拾得図》は
『前村洞和(まえむら とうわ)』による作品で、
この絵師は絵金こと金蔵の師匠でもありました。
江戸土佐藩邸の御用絵師を務める狩野派絵師・前村洞和は
江戸遊学中の金蔵に絵を教え、
狩野派絵師としての技術を授けました。
また、学んだ年代は異なりますが、
金蔵と同時代に活躍した独創的な画風で知られる絵師、
奇才として名高い『河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)』も
洞和に師事していたようです。
今日、歌舞伎や浄瑠璃芝居を描いた
鮮烈な芝居絵屏風を代名詞に人気を博す絵金ですが、
彼の画業は土佐藩邸の御用絵師としての
狩野派絵師・林洞意(はやし とうい)からはじまりました。
幕末土佐を席巻した異才絵師・絵金と成った金蔵。
師であった前村洞和の存在なくして
その人物、作品を語ることは決してできません。
洞和の作品の多くは伝統的な狩野派の描法に忠実なもの。
しかし本作では、大胆な構図と強く伸びやかな線を用いて
全く異なる画風の作品としています。
多彩な面をもつ師匠に絵を習ったからこそ
才能豊かな絵金が誕生したのかもしれません。
会期は、4月5日(日)まで、
9:00~17:00(最終入館16:30)。
絵金に多大なる影響を及ぼした前村洞和の作品を
是非間近でご覧ください。
▼追加情報~
高知市・升形にある『称名寺』では
本展で展示している《寒山拾得図》を展示しているときもあるそう。
本展終了後、もう一度観たいという方は
ぜひ一度お寺の方にも足を運んでみてくださいね。
※常時観られるわけではありませんのでご注意ください!
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