天高く馬肥ゆる秋、皆様いかがお過ごしでしょうか?

絵金蔵は本日より 
「伽羅先代萩 彩りゆたかな物語」
をスタートします。
会 期  20201013日(火)~11月末頃※終了日は予定、決まり次第更新いたします。


「伽羅先代萩」とは、
伊達家のお家騒動を題材とした
歌舞伎や浄瑠璃の演目のことで、現在も大変人気があります。

赤岡に残っている23点の芝居絵屏風の中にも「伽羅先代萩」を題材にしたものがありますが
今回展示しているのはこの演目が薄い和紙に描かれた作品です!

当館収蔵の多くの白描とは異なり、
裏打ちされていないために触れるのも緊張してしまうほど薄い和紙のまま。
大きく破れたりボロボロになっていない作品たちをみると
これまで大切にされてきたその背景が窺えます。



伽羅先代萩 展示

 

作品自体は白黒ながら、個性豊かな登場人物や多彩な場面は
私たちを鮮やかなお芝居の世界へ導びきます。

本作は各段で様々な場面が描かれており、まるで紙芝居のよう。

中には現在はほとんど目にしない場面も残されています。

伽羅先代萩2

演劇史においても大変貴重ではないかと自負しておりますので、

どうぞ「芸術の秋」でもあるこの季節にご覧くださいませ!

 

■会 期  20201013日(火)~11月末頃

      ※終了日は予定、決まり次第更新いたします。

■観覧料  入館料(大人520円他)でご覧いただけます。



今年度も当館収蔵の芝居絵屏風の本格的な保存修理を一年間かけて行っています。

【2020年度修理作品はこちら】
・浮世塚比翼稲妻 鈴ヶ森(本町一区所蔵)
・花上野誉石碑 志度寺(本町一区所蔵)
・菅原伝授手習鑑 寺子屋(本町二区所蔵)
・木下蔭狭間合戦 石川五右衛門(本町二区所蔵)

2020修理作品


クリーニングの工程では、
汚れを吸着させた紙の様子から、長年に渡る汚れの蓄積が一目瞭然。

本紙に水分を与えることにより、
下に敷いた吸着紙へ土埃や粉塵などの汚れが移り、
ほとんど全面が汚れを抱えていたことがうかがえます。

▼湿式クリーニング後の様子
04湿式クリーニング(寺子屋右隻)_(11)


本物の作品を通りの軒先に並べて祭りを彩る絵金文化を守ることを目指しながらも、
そのリスクを目の当たりにする機会でもあったこの写真。

この文化を後世へ伝えるためには、定期的な調査や修理が必要不可欠であり、
リスクをもってでも夕闇の町を絵金の芝居絵屏風が鮮やかに彩る情景を残したいと願う、
絵金とともに生きてきた赤岡の人々の想いを繋いでいかなければならない、と
気を引き締める一助となりました。


一年間に渡る修理工程は、
《絵金芝居絵屏風本格修理のご報告(全5回)》
をご覧ください。

・第1回:損傷状況の確認、解体前の剥落止め 《PDF
・第2回:屏風装の解体(解装)、汚れの除去(ドライ)《PDF
・第3回:汚れの除去(湿式)、旧裏打紙の除去《PDF
・第4回:下貼(屏風下地の制作)《PDF
・第5回:表装と仕上げ《PDF

-------------------------------------------------------------------

本事業は高知県および香南市の補助事業であり、
以下の助成を受けて実施中です。

◆(公財)朝日新聞文化財団
 https://www.asahizaidan.or.jp/

◆(公財)出光文化福祉財団
 http://www.sif.or.jp/

◆(公財)文化財保護・芸術研究助成財団
 http://www.bunkazai.or.jp/


ページ上部へ