令和2年度の
須留田八幡宮神祭での芝居絵屏風展示の中止
土佐赤岡絵金祭りの開催中止が発表された5月上旬。

予想していたこととはいえ、
年に1度、7月にしか皆様の前に姿を現さない芝居絵屏風の野外展示が
無くなってしまったことは残念でなりませんでした。

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▲過去の絵金祭りの様子


しかし!
お祭りが中止になったとはいえ
やっぱりやっぱり、皆様に本物の絵金の芝居絵屏風をご覧いただきたい。
絵金蔵の想いはひとつでした。

そこで!今年の夏の特別展では
恒例企画・
白描展と5分の1展に加え、毎年祭りの夜にしか並ばない
絵金の本物の芝居絵屏風を館内にて特別公開
いたします!

夏の特別展2-01


館内にて4週間にわたってホンモノの芝居絵屏風を展示する
「ホンモノにあえる一ヵ月 絵金屏風の展覧会」
では
赤岡に残る芝居絵屏風23隻のうち、
展覧会出展中及び修理中等の作品を除く10隻を特別公開いたします。

作品を入れ替えながらとはいえ、かつてこれほどの長期間にわたり本物の芝居絵屏風を
館内で展示した例はなく、じっくりと作品をご鑑賞いただく貴重なチャンスとなっております。

絵具の盛り上がりや素早くひかれた線描の美しさ、
そして160年以上経過してなおその鮮やかさに目を奪われる色彩をぜひご覧ください。


こちらと合わせまして、「5分の1展」でも、
不慮の事故による修理を終えて2017年に帰ってきた芝居絵屏風5隻を、
5週間に渡って順番にお披露目します。

これらの作品は作品保護のため、館内の展示ケースにて展示いたします。
綺麗になって赤岡に帰ってきた作品たちをご覧ください。




そして、「白描展」では絵金や弟子らが残した白描画(香南市個人蔵)を展示いたします。
今年は題名不詳のため展示できていなかった作品のうち、
再調査により画題が特定できた作品を中心に展示いたします。

芝居絵屏風とはまた違った味わいのある作品たちが並びますので、こちらも必見です!

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▲個人蔵(白描展より)







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー展示詳細ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ホンモノにあえる一ヵ月 絵金屏風の展覧会
  期間:7月7日(火)~ 8月2日(日)

 ● 7月7日(火) ~ 7月12日(日)
 伽羅先代萩 御殿(本町二区)
 競伊勢物語 春日の里小芳住家(横町二区)

 ● 7月14日(火)~ 7月19日(日)
 義経千本桜 鮓屋(本町四区)
 蝶花形名歌島台 小坂部館(本町四区)
 楠昔噺 徳太夫住家(横町二区)

 ● 7月21日(火)~ 7月26日(日)
 東山桜荘子 佐倉宗吾子別れ(本町四区)
 伊賀越道中双六 岡崎(門脇家)
 忠臣二度目清書 寺岡切腹(横町二区)

 ● 7月28日(火)~ 8月2日(日)
 源平布引滝 松波検校琵琶の段(本町一区)
 菅原伝授手習鑑 寺子屋(横町二区)

■5分の1展 
  期間:6月30日(火)~ 8月2日(日)


 ● 6月30日(火)~ 7月5日(日)
  勢州阿漕浦 平次住家(本町一区)

 ● 7月7日(火) ~ 7月12日(日)
  蝶花形名歌島台 小坂部館(本町二区)

 ● 7月14日(火)~ 7月26日(日)
  鎌倉三代記 三浦別れ(本町一区)
  八百屋お七歌祭文 吉祥寺(本町四区)

 ● 7月28日(火)~ 8月2日(日)
  蘆屋道満大内鑑 葛の葉子別れ(本町一区)


■白描展 
   期間:7月7日(火)~ 8月2日(日)

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■場 所  絵金蔵
■観覧料  入館料(大人520円他)でご覧いただけます。




※感染症予防対策として展示内容の一部変更や、
入館者数の制限を行います。あらかじめご了承ください。


絵金蔵における新型コロナウイルス感染症の感染予防対策をご確認のうえ
ご理解くださいますようお願いいたします。
⇒ ⇒ ⇒ 新型コロナウイルス感染症の感染予防対策内容 ⇐ ⇐ ⇐ 
※情勢によって開館状況は異なる場合がございます。最新の情報はHP等で発信してまいります。









長期間に及ぶ自粛生活を終え、皆様いかがお過ごしでしょうか?
少しづつではありますが生活のリズムを取り戻されていることかと思います。

絵金蔵は5月19日より営業を再開し、新たな展示
絵金蔵15周年記念企画その3田辺寿男没後10年写真展 追憶の赤岡 絵金の町
6月2日㈫よりスタートいたしました

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さて、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、
予定日よりも遅れましたが、
6月1日に絵金芝居絵屏風の本格修理 にむけて
作品が4点絵金蔵より搬出されました
※本格修理とは…屏風装の解体を含む大規模な保存修理のことです。

昨年度より始まった赤岡に残る芝居絵屏風の本格修理。
県外にも類を見ない独特の絵金文化を後世に残していくため、
多くの方々からの支援・ご寄付によりこの本格修理を実現することができました。
ご協力いただいたすべてのみなさまに心より御礼申し上げます。

2年目に当たる今年は以下4作品が修理業者様の元へと向かいます。

・花上野誉石碑 志度寺     (本町1区所蔵)

・浮世塚比翼稲妻 鈴ヶ森    (本町1区所蔵)

・菅原伝授手習鑑 寺子屋    (本町2区所蔵)

・木下陰狭間合戦 石川五右衛門 (本町2区所蔵)


これから1年間かけ、国内でもトップクラスの技術を持つ修理のプロの皆様により
この4点は洗浄したり剥がしたりと様々な処置が施されます。
屏風絵ってこんな構造になってるんだと驚かされること間違いなしの修理内容は
こちらのページよりご覧ください。
昨年の修理の様子をまとめた蔵通信番外編を掲載しております。

修理を終え綺麗になった姿をみなさまにお披露目できる日が楽しみです。

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▲作品を運び出す前のチェック

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▲美術品を扱う専用車両に乗っていざ出発!


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そして、平成31年度に修理を終えた以下4点

・花衣いろは縁起 鷲の段    (本町2区所蔵)

・伊達競阿国戯場 累      (本町2区所蔵)

・東山桜荘子 佐倉宗吾子別れ  (本町2区所蔵)

・播州皿屋敷 鉄山下屋敷    (横町2区所蔵)

こちらも開催が延期となっておりましたが、本日6月2日より東京でスタートする
展覧会「奇才 江戸絵画の冒険者たち」にて初お披露目となります!
会場は江戸東京博物館です!

チケット情報や詳細はこちら 出展作品詳細はこちら

奇才チラシ裏

全国より集めた35人の奇才絵師たちの作品を一堂に集めた本展。
絵金の作品がメインビジュアルにも使われています!感激

山口県立美術館
【会期】2020年7月7日(火)~8月30日(日)
【主催】山口県立美術館、読売新聞社

あべのハルカス美術館
【会期】2020年9月12日(土)~11月8日(日)
【主催】あべのハルカス美術館、読売新聞社


上記会場にも巡回いたしますので、
皆様是非足をお運びください!!



絵金蔵では引き続きブログ等で経過をお伝えしてまいりますので
暖かい目で見守っていただきますようどうぞよろしくお願いいたします。








寄付のお願い
昨年度は多くの方々から寄付金をいただきましたが、
18隻全てとなるとまだまだ資金が不足していおります。

つきましては、土佐独特の絵画作品である
絵金の芝居絵屏風の安全な保存のため
また伝統ある土佐の絵金文化を後世へ伝えていくため、

引き続きどうぞ温かいご支援を賜りますよう、
赤岡絵金屏風保存会や絵金蔵、並びに関係者一同、
心よりお願い申し上げます。

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